吉右衛門は元々は農家であるため、わずかな水田ではあるが所有している。そして、ある2軒の農家の人から耕作してもらっている。貸し物件には載っていないが、物件貸しをして不動産収入(賃料)をいただいていることになる。
昔からのJAの正組合員ではあるが、作付けはしていないので農業収入ではない。
賃料は、10アール(1,000m2)当たりおおよそ10,000円前後。坪単価で言うと、年33円/坪で貸していることになる。
農家の収入は、新潟県で10アールあたり528kg(60kgに換算して8.8俵)という。JAの農家買い取り価格が12,600円(60kg当たり)。すると、10アールあたりおおよそ111,000円が耕作農家の収入。つまり先ほどの10,000円は、9%の家賃をいただいているという見方もできる。
まあ、借り主側の農家は、光と二酸化炭素は無料だが、水利費、肥料・農薬代、燃料費や農機具減価償却もあり、なかなか経営は大変だと思われる。
一方、貸し主側は、農家組合費、土地改良区費、土地改良費の償還を支払う。これが結構馬鹿にならない。もちろん固定資産税も払う。10アール単位302円だが・・。いただいた10アール当たり約1万円に対し10アール当たりの貸し主側経費を引くと、当家みたいな小規模地主には年間1~2万円くらいしか残らないということになる。所有しているだけ面倒だが、しかし、これもご先祖様からの貴重な不動産収入であると思うことにしている。
さて、耕作していただいているのは、お一人が今年90歳、他の方が70代後半。10年契約で、契約は今年を含めあと3回の耕作が残っている。90歳の方は杖をつき足下が覚束ないなか軽トラを動かし、米作りをしている。
「それにしてもなあ・・」と内心想っている。
写真:国仲の田んぼ