11代目のブログ

昔の地目

昔の地目の画像

 先日の午後3時過ぎに東京にいる役員からLINEが入っているのに気づいた。新潟県内の物件についてであった。とても気になる物件であったため、仲介不動産会社に連絡を取る作業と、物件を視認するために出かけるという作業を同時に始めた。

 物件の視認といっても、現地に到着するには2時間はかかる。着いても暗くなっており、宿泊して朝になってクリアーに視認するという段取りになろう。仲介不動産会社の担当の方とも、1時間後に連絡がつき1番札をとれたようで、期待は膨らむ。

 この時点で、わかっているのは不動産ポータルサイトからの情報である。そこにGoogleマップからの現地の様子を加味して判断する。最近は、地番も明示されていることの方が多いので、Googleマップからの視覚情報は大きな情報源である。
 東京の役員には、路線価と土地の広さから土地値を推し測るよう依頼する。また、近隣の土地や建物の売買状況から、相場の土地値も調べるよう依頼し現地へ出発した。

 気になったというのは、JRの近郊線駅から徒歩5分という立地条件。また、徒歩5分で地元国道のバス停に出られる。バスは早朝5時から深夜11時過ぎまで走っている。土地付きアパート、駐車場も各普通車1台が駐められる。アパートは、近年全面外装塗装と各部屋を順次改装してあるらしい。

 次の日の午前早く会社に戻り、登記情報ネットワークで登記簿を取ってみると、昭和年代の地目は「池沼」となっていた。
 行ってみてわかったのは、周りよりも数メートル低い土地に建っている物件であった。該当の地帯の近くを大きな河が流れている。昔は一帯が芦原であったような所である。もちろん自然な土地であれば高低差は必ずある。多分、周囲より低く雨水が貯まり、そして大きな河に向かってゆっくりと水が動いていったのであろうし、洪水時は、排水路の役を果たしたのであろう。確かに、北から南へ長い私道となって車が通れるが、物件の北側は狭い階段で降りてくるようになっている。

 役員とのテレビ会議を開いたが、地勢と土地値、売買価格を総合して今回は見送ることになった。物件のアパートの状況はとても良く、駐車場も広く、そして駅まで至近。

 心残りであるが、資金力のない小さな会社には購入は無理であった。また頑張ろうか。
 

           写真:夕暮れの空 (2023年9月撮影)     2023.9.6記