11代目のブログ

魔界と異界

魔界と異界の画像

 別なタイプのフィッシングにも引っかかった経験がある。
 数年前、数千円である品物を買おうと思った。ある品物が何だったかも忘れてしまったが、痛い思い出は忘れられない。銀行振込みが指定されていて、メールで送られてきた口座にいざ振り込もうとしたら、HP上の代表者氏名と異なっている気がした。氏名が一文字の某国の名前のようであった。ちょっと変な気がしたが当時は極多忙な毎日を送っていたため、また探し直すのも面倒で、ポチッとやったら、いつまでも品物が届かない。消費者生活センターに行って相談しても、事情を聞いてくれるだけで何の役にも立たない。
 2度目は3年前の春、欲を出したら失敗した例である。住まいにしていたマンションを人に貸し出すことにした。コロナのせいでこの地方に住むことにしたからである。その改装工事ために、あるメーカーのあるシリーズのキッチンを探したところ、どこも6万円前後であった。ところが、2.6万という破格の値付けを見つけた。値段が少しおかしいと思ったが、海外からの直送で破格になるという触れ込みであった。HPをみるとちょっと危なそうであったが、触れ込みに負けて銀行振込みで発注したが、これもなしのつぶてであった。
 結局、6万で買えるものが8.6万になった。高価な買い物をする羽目になったということだ。

 以来、HPを慎重に吟味するようにしている。
 
 すると、面白いことがみえてきた。例えば、HP上の住所が全く架空のもので、ビックリすることもある。住所そのものはあっても、他人の倉庫を自分の倉庫のように見かけていたりとか、全くでたらめな住所であったりすることもある。例えば、HP上には〇〇市△△町4丁目と書いてある。Googleマップで探しても丁目が見つからない。市に電話で確認すると2丁目までしかないとか・・。
 こういった怪しいものは、HP上にたくさんの偽商品が載っていて、オークションサイトみたいに、SOLDマークが付いていることもある。
 また、何となくヘンテコな日本語文法のHPであったり、旧漢字がいくつか並ぶのも要注意なことがある。小生は凡人だが(奇人かも知れないが)、『君子危うきに近寄らず』とどうしてもなる。カード決済はさておき銀行振込の場合は、特に気をつけるようにしている。
 
 それ以来は、こうしたものには引っかかってこなかった気がしていたが、そういえば今年の1月にはフェイスブックを用いる手法でフィッシングにやられたッケ。被害額は、5千円弱。これも巧妙であった。

 はまったのは欲と言えば欲であった。製造元が廃番にしてしまった製品ではあったが、その人にはその製品のストックがあるのだろうと思い込み、そして探し出せて嬉しいと思い信じてしまった。よくよくあとから考えたら、フェイスブックで表だって品物の販売ってできないはずであろう。そして振込先は、ナンチャラpay、そんな決済機関ってあったッケだった。そこを突き詰めることができなかった。

 欲しかったのは、木の小さな製品。魅力的な小粒な会社が創っていた。若い女性が手作りで創っていたが、ある理由で離職したから在庫しかなくなりあっという間に売り切れていたのは知っていた。この会社に連絡して聞いてみても、訳がわからない感じである。そんなわずかな製品を仮想空間で売ろうとした意図、儲かると考えた意図がよくわからない。不思議だ。

 何か、魔法使いが考えているようにみえる。魔界とは、文学やその他感性の世界の言葉だが、この不思議さはそんな言葉が似合う。

 異界という言葉もある。サイエンスの心理学が使う。異界を覗いてみると、狸というリアルな存在が人を化かそうと企んでいる場面がみえる。

 いつ何時、魔界の魔法使が杖を使おうとしたり、異界の狸が化かそうと待っているかも知れないが、便利な仕組みやデバイスを手放すことはもうできない。

 また騙されるかも知れない。その時はその時だが、これも煎じ詰めればヨクか
 

 使わないわけにはいかないから、居直るしかない・・

写真:秋深し     (2022年11月撮影)  2023.9.19日記