近年、初夏になると結膜炎になってしまう。当初は市販薬でごまかしていたが、昨年、今年と、どうにもならなくて眼科に飛び込むこととなった。
昨年は20年ぶりに地元の眼科受付に恐る恐る立った。カルテはもうないが、過去に通院した痕跡があったようで、無事診てもらえることになった。角膜に細かい傷ができているので結膜炎との診断であった。薬を処方してもらい、薬が切れたら再来院しなさいとの指示であったが、2時間待ちの混雑に閉口したのと薬で良くなったのでそのままになった。
今年も6月頃からおかしくなり、7月下旬には症状に堪らず同じ眼科に飛び込んだ。診断は、前年と同じ。しかし、その後が怖い。「うちは最新の器械(眼底三次元画像解析(通称OCT検査)のことらしい)があるけど、去年もそうなんだけど眼の奥に異常があるのではないかという結果が出ていますね。結膜炎を処置した後に精密に検査しましょう」とのことであった。確かにカルテには、OCT検査の図面が貼ってあり、緑や黄色でなく全面赤いマークがついていた。去年から悪かったんだ・・、と悔やみが入る。
そしてさらにイヤーな気分が頭の中を通り過ぎていく。
高血圧がひどいから薬飲みましょうとか、糖尿の恐れがありますよとか、歯槽膿漏が悪化してますよなどの老化を示唆する青ざめるような憂鬱な気分。
さて、結膜炎もよくなり、予約日の朝、瞳孔を開く目薬のため、家族運転の送迎付き。緑内障のケがあるといってたっけ、と待合室で周囲を見渡す。夏休みなので、小学生の姿もちらほらあるが、他は皆高齢者ばかり。それも後期高齢者が多いことに気づく。「私86歳で・・」、「私は89歳よ・・」と声を掛け合っている。足下がヨロヨロしている人が患者に幾人か混じっている。
そうだよな、眼科って高齢になれば必ず大切な存在になるよな・・白内障の手術、緑内障の治療あるよな、他の受診科より眼科は高齢になるなーッて、妙に納得しながら待つ。
瞳孔がなかなか開かず、3回点眼しても規定の広さにならない。「5mm欲しいけどねェ」といいながら先生自ら点滴とOCT検査。最後に入念に「アッチみて、コッチみて」が始まる。「ちょっと黄斑変性が・・」とつぶやかれ、心のなかはもうアッチッチ。
まあ、「ちょっと加齢性の黄斑変性があるけど、悪い病気はなくて大丈夫だったみたい」との診断。瞳孔が小さいため、OCT検査も異常値が出たらしい。検査開始から2時間もかかり診断が下るが、最後の方は捨て鉢な気分になっていた。
無罪放免ではあるが疲れ果てた1日だった。
充分、老化の下り坂にあるとの自覚を促していただいた通院であった。
写真:日めくり 下り坂の身には重宝していますハイ。(2023年9月撮影)2023.9.7日記