この地方での1番良い季節はこの時期だ。寒くもなく、外で作業すると汗が出るが、屋内外で花木を愛でながらお茶を飲むには最高の日々だ。
ある小学校の運動会だった。晴天の下、90人にも満たない生徒数なのに、保護者も大勢応援に駆けつけているようすで活気ある風景、いいものだ・・・。
各家の庭には、鉄線、ミヤコワスレ、カキツバタにあやめ。バラの花も咲きそろって甘い香りを匂わせている。池の中には睡蓮、ヤゴの抜け殻も睡蓮の葉の上に残っている。山には藤の花が咲き誇っている。高木に巻きついて迷惑をかけながら咲いているというのが正確だが・・。
今日の地元新聞に、この地方へのU・Iターンが昨年度は600人を超えたと載っていた。それまでも近年は500人もの人たちがこの地方に移住したのだが、さらに100人増えたという。若者(40歳未満)は6割弱を占めIターンが多く、50代以上の人たちはUターンが多いという。600人は、この地方の1.2%を占める。
Iターンの人たちはどこに住んでいるのだろうか?この地方の若者が増えているというのだから。この地方は車がないと何もできないし、線路もなくバスは通学時間帯以外は空気を運んでいる。それも限界集落だらけ、高齢者ばかりの過疎地帯にである。
とはいえ、よくよく考えたらIターンの人は身近にいた。吉右衛門の物件でも4世帯の人がIターンだった。20代、30代、40代、60代で幅広い人たちだ。
では、他のIターンの人たちが、どこに住んでいるのだろうか。
仕事柄、毎日気になって車を運転しながら村や街の民家を眺めている。
写真:深山荘庭の池