数年前、極多忙な生活を送っていた。
日頃からある程度計画的な段取りをとっていた。土日はその遅れを取り戻すとともに、できたら前倒しできるように心がけていた。しかしそうしてやっていたとしても、ときに一つでも手こずってしまえば、途端に破綻が起きる。
そのころ、1日13時間から15時間はデスクに向かっていた。残りが通う手間と、食事と睡眠時間となる。それでも、睡眠時間は最低6時間は確保できていた。綱渡りの状態だ。12時間だとすごく楽だった。
ところが、あることに手こずってしまったため、約束の期日が迫ってくる。どうしたかというと、睡眠時間を削った。
手こずってしまった仕事を自宅に持ち帰って進めようとし、一晩目は睡眠時間を5時間とった。二晩目は睡眠時間が3時間くらいでも何とか持ちこたえたが、三晩目は消耗の限界だったようだ。うまくはいかなかった。まず疲れをとるために3時間寝てから起きて、デスクに向かった。
しかし、朝方になると、いわゆる『朝方の耐えがたい眠り』が押し寄せたのか、目が覚めてみると床で寝ていた。意識を失いくずれるように床に落ちてしまったのだ。気を失ったのは3時間ほどだった。
もう二度としたくないと思った。もっとも二度となかったが。
そんな毎日では、甘いものが必要になる。脳を動かすエネルギー源として必要なのだろう。今までの生活では手を出さずにきた、チョコレートや砂糖の入ったステイック型のコーヒー、様々なキャンディやあめ玉には大変お世話になった。
それと、もう今はそんなことをもうすることもないし、できなくなっているが、甘いものの他に乗り越える手段が一つある。
それは、机に突っ伏して5分~10分うたた寝をする。時間が区切られているときは、1分、3分してぱっと目を覚ます(ことをする)。いつしかできるようになっていた。これは効果てきめんで、すぐ頭がすっきりする。
実は、眠りに関する昔の体験を書いたのは、先日ある眠りに関する新聞記事が思いおこさせたからである。多分、無意識下から。
その次の日にもこの記事に関する核心の人について、NHK夜9時のニュースでも紹介された。
筑波大の柳沢教授である。教授は眠りに関する80のタンパク質を見つけ、それはいずれもリン酸化がキーになって、眠りを起こす各役割を果たすことを突き止めたという内容であった。
なるほど巧妙な仕組みだと思った。キナーゼという酵素(タンパク質)などはリン酸基で変化するのは普通に知られている。
生体内のエネルーギー通貨のATPはリン酸塩基の可逆的変化を起こす。それは全ての生物に共通するから、生体内では眠りにおいてもリン酸基は使いやすいツールであることは、いわれてみればなるほどと思うが、それはあとづけだからいえること。
眠りは、医学的、心理学的、社会的にもすごく重要な事柄
睡眠に疾患を持っている人、交替勤務の健康改善を考えている人にとって、等々、多くの人にとってこの基礎研究は興味深いものだと思う。
で、約束事はどうなったか?って
もうガタガタ、みるも無惨
今考えると実力以上の約束事をしてしまったともいえるか・・
そうかー
写真:夏のこの地方もいいが、冬は厳しいがひかりが希望をあたえる (2022年12月撮影)2023.9.20日記
追記 そういえば、かつて若い頃は15時間を何年間も毎日続けていたことも思い出した。実力以上のことも多かった。そうかーーー