11代目のブログ

倉敷の古本屋

倉敷の古本屋の画像

このあいだ、六甲道の図書館で5冊の本を借りた、とブログに書いた ホクホクとして、と・

夜、読んでいる 経理の仕事もしないで

趣の違う本をそれぞれ借りたのだが、エッセイ本だけは一冊借りた 20冊まで借りられるのだが、重いから 一冊だけ 適当に選んだだけ・・、だったが・・


それが、M古本屋の話
自分で本をまとめたいと思っている身にとって、読みたいエッセイ本を探したのだが、めについた一冊をただ単にランダムに一冊チョイスしただけであるが、

夜、読み進めているうちに、その店に行きたくなった 場所は灘から西に約170km 快速などの列車でも3時間 思い立ったのは読んだその刻、昨晩

今日の朝、7時に出かけ夕方6時に帰ってきた

倉敷か・ これで確か、人生3度目かな、と思いながらも、ついでに大原美術館も見られるしなあ、とコスパも心をよぎる

朝出かけたのだが、姫路までの新快速は足の踏み場もないくらい混んだ 参った 45分前後、ほとんど停まらないから、まあまあ、年寄りも楽 全身で踏ん張ることがなんとかできた

いそいそと借りた5冊の本の中には、神戸新聞総合出版センター刊、寺林峻著作の『播磨国風土記を歩く』があった これも旅の友としてリュックに入れ、姫路から岡山までの1時間半を用いて読み進めた 県境を越えて行く線路 3両の各駅停車は次第に人もまばら、景色も単調 播磨とは、兵庫県西部、明石から姫路、相生市まで、そして時代は古事記以前の神話の世界 神功皇后や応神天皇の時代のはなし 

そうして、なんやかんだで、倉敷景観地区 
景観地区までの商店街の道も面白かった 結構、繁盛しているのがわかる

こうやって物件賃貸業をしてきた経験から、倉敷を改めてみるのはとても新鮮だった まず、かく商家構えの姿と蔵の醸し出す雰囲気とその合理的な間取りが想像できる

つぎは、この生きてきた文化遺産をいまはどう使って活かしていくか つまり、街作りである

さて、M古本屋の前まで来た ニュッと出現した 町並みの一角に、他の店に埋没しているみたいにある
なかは普通の古本屋 あたりまえである 奥の畳敷きに事務机に座っている著者の姿がみえる

M古本屋で、本を三冊買った 一冊目は、550円のA4二つ折りで13枚くらい、製本していない本 文字は細かくて読めないくらいのポイント そうか、こうした手製のエッセイ本をこのルートで巷に供しているのかと、感心して買った 

二冊目は、松居友さんの『私の絵本体験』 お父さんは松居直さん 福音館書店の初代編集長

臨床心理的に、絵本は幼児期の異界での時間をともに過ごし、くつろぎ、自由に心を羽ばたかせたり、どろんこ遊びなどあばれまわれる空間、そして誰とはみえない姿の親友と過ごし母に護られている、そんなありようの存在 そんな世界は異界と呼ばれる 

そこには、現実から異界へのこどもしか通れない小さなトンネルがある トンネルは幼児期はフリー 小学年もまあ、いいかも もう高学年は関所料というか狭くて通れなくなるのだ


その本が気になったからだ 買った 
その昔、田舎に松居直さんが訪れ、講演会を聞いた思い出がある ちょうど30年前、長男と次男の幼児期の頃・・

三冊目は、このM文庫の店主の著作 図書館で借りたハード装丁でなく、増す刷りして文庫本になっていたもの

三冊を帳場にどさっと置き、店主と向き合う 店主は女性 精算時になぜか面白かった 「計算は苦手で・・」といいながら暗算でなく電卓をチャチャ、チャチャと何回も叩き、5000円からのおつりを計算する・・
そのうちに、色白の彼女が「今日は暑いですねえ」という 「でも列車は冷房が効いていて、私みたいな年寄りはなにか羽織らないといけませんねエ」とぼそっというと、・・・ 
あとは、ご想像にお任せ・・
エッセイの中の姿、そのまま・・

私の第三の人生は、会社を譲り、こうした損得が厳しいような、損得がないような、そんな生活をどう実現するか、そんな未来を夢みている そんな余生を送りたい その店は、どこに持てるのだろうか 立地だよなぁ・・・・・・・・・・・・・

写真 20250606 商店街の一角のとある店構え 風格を感じる

それはそうと、大原美術館には寄らなかった 2回みたのと、あまりにも絵が膾炙されていて、図版や教科書でよく知られ、巡回展でも何回か観てもいる 観覧料も結構するのでパスした

というか、倉敷は天領であった、らしい 奉行所があったのだが、そこは現在は倉敷アイビースクエアというところになっている 奉行所跡地が、クラボウの本工場の跡地 今は再開発され、素晴らしいたたずまいになっている アイビーか・・ それって応用できないか ぼろ貸家に でも、よほど管理が大変だなあ しかし、一考に値するよな! 

疲れている そこで、アイビースクエアーの入り口にあるお休みどころ 手製の昼食を持ち込み、クラフトビールをいただきながらゆったり過ごした 隣は、アングロサクソン系乙女2人がくつろいでいる 倉敷もインバウンドで賑わっている 日本人6~7割 インバウンドが3~4割 アングロサクソン系と中国系が半々くらいかな

そこに、倉紡記念館があった 入館料300円 ちょっと観ようと思い、入った クラボウは明治期に政府の施策もあり、奨励 会社化され、それを発展させたのが、代々の大原家当主 どう発展させてきたか 何を考えていたのか 

己も、経営者の端くれ 得るものは、あった気がする

そこで満足して、大原美術館には寄らなかったのだ